第20号
2005年
6月
1F たかはしクリニック
078(882)6432
2F 大田整形外科クリニック
078(882)8822
3F みよし内科クリニック
078(882)1122
4F 波田眼科
078(882)6338
 発行 メディカルハット
 神戸市灘区岩屋北町5-1-31

             


  新聞報道などでご存知の人も多いと思いますが、5月末に厚生労働省が日本脳炎の予防接種(公費負担)について、事実上の中止勧告を出しました。昨年夏に山梨県で14歳の女性が予防接種後に急性散在性脳脊髄炎(ADEM)を発症し副作用による疑いがあることや、日本脳炎患者が年間数人に減っていることから予防接種を中


断しても大丈夫と判断したようです。厚労省によると、より安全なワクチンが来年には供給できる見通しで、その時点で予防接種を再開すると言っています。ただ、日本での感染が激減したといっても東南アジアなどではまだまだ怖い伝染病です。海外旅行を予定している人など、希望すれば予防接種を公費で受けることができます。

  副作用も心配されるワクチン(英語ではvaccination)ですが、予防医学になくてはならないものです。病気にかかった場合の危険性を考えれば、副作用をケアしつつも予防接種の効用はより大きい、と思います。

  ワクチンを世界で最初に開発したのはジェンナーです。天然痘の予防で息子に接種して効果があることがわかり、世界中に広まりました。それから200年が経ち、現在では天然痘は撲滅され、予防接種も必要なくなりました。

<主な予防接種と接種時期>

3種混合DPT(Dはジフテリア、Pは百日咳、Tは破傷風)は生後3ヶ月からI期として3〜8週ごとに3回、追加接種は1年後です。V期は小学校6年生に接種します。ポリオは生後3ヶ月以降18ヶ月までに2回経口服用します。神戸市では5月と11月に保健所で行われます。麻疹、風疹は1歳以上90ヶ月未満に診療所で受けられます。結核は予防法で今年から4ヶ月健診と同時にBCGを保健所で受けます。ツベルクリン反応はなくなりました。3種混合、ポリオ、日本脳炎(今年は中止)、麻疹、風疹が定期で母子手帳に券があり無料で受けられます。
 任意はインフルエンザ、おたふくかぜ、水痘です。これは親の意思で受けるもので、有料です。

  ポリオもアメリカ、日本ではなくなり、あと東南アジア、アフリカに残っていますが、撲滅も近いと言われています。麻疹(はしか)はアメリカではほとんど無くなっていますが、アジア、アフリカではまん延し、死亡者も数年前のデータでは年間80万人もありました。日本でもまだ数万人が罹患し、年間200人以上の死亡の報告があります。私自身マニラ大学の小児病棟で麻疹脳炎、麻疹肺炎で多くの子どもが死んでいくのを見たことがあります。MMR(Mは麻疹、Mはおたふくかぜ、Rは風疹)はアメリカではいっぺんに行われていますが、日本では数年前に脳炎、脳症という副反応がでて、現在は別々に接種されています。

  おたふくかぜは治療薬がないので、予防接種が必要です。麻疹も肺炎、中耳炎、脳炎を引き起こし、後遺症が残ったり、死亡することもある怖い病気です。1歳になったらワクチンをおすすめします。

  別掲のようにワクチンにはたくさんの種類があります。母子手帳を見て、受けられるものは決まった時期に受けてください。健康状態などが心配でしたら接種前に医師に相談してください。

(たかはしクリニック   高橋 利和)

 

 


  出産育児休暇を終えたKさんは勤務を始めると直ぐ、いつか利用すると思いお子さんのNちゃんをハグハグに登録しました。登録用紙は2枚、母子手帳を見ながら記入しました。
  「登録料は無料だし、元気な時に登録を!ですね。それと登録の際にハグハグの場所の確認をしておけば、いざと言うときにあわてないで済みます」
  4月のある日、保育所からの帰りにNちゃんがひどく咳込みました。吸入を、と思いクリニックを受診。
    医 師 「気管支に炎症がみられます。今晩熱が出てくるかもしれません」
    K さん 「明日ハグハグ空いていますか?」
    医 師 「一般安静室はOKです。明日の朝、熱がなくて咳もひどくないようでしたら8時までにキャンセルの電話を入れてください」
  翌日8時、Nちゃんはお母さんと一緒にハグハグへ。初めてなので、お母さんとの別れ際は泣きましたが、おやつを食べ、オモチャで遊んで機嫌を取り戻しました。10時、ハグハグキッズのクリニック受診です。Nちゃんは点滴で大泣きしつつも保育士さんと一緒にがんばりました。
 

<クリニックでの受診の様子>

熱は8時に37.3度、12時に38.8度、15時に39度に。お昼寝後はしんどいのか、グズグズしながらゴロゴロと横になる場面も。18時、熱38度。でもお母さんのお迎えで笑顔が戻りました。お母さんに保育士からクリニックの<受診の様子>が伝えられます。   のどは少し赤く胸の音が少しゼロゼロしています。発熱が続いているので抗生物質入りの点滴をし、血液検査をしました。鼻水の吸引と吸入もしました。          
  さらに、お母さんには帰りにクリニックに寄ってもらい、医師から検査結果の説明も受けてもらいます。

  この日をふくめNちゃんは4日ハグハグに通いました。4日目の<受診の様子>です。
   のどの赤みはなくなりました。胸の音もかなり良くなっています。お熱も落ち着いてきましたが、抗生物質入りのお薬はしばらく服用したほうが良いでしょう。咳、鼻水、痰のお薬3日分処方あり、昼から服用しています。お熱がなければ明日から保育園OKです。
  Nちゃんはお友達に感染しない病気だったので、一般安静室を利用しました。感染症の場合は隔離室をご利用いただきます。隔離室は1部屋なので、例えば、その日風疹でふさがっている場合は、風疹のお子様のみお預かりすることになります。水ぼうそうで入所希望されてもお断りします。おたふく、水ぼうそう、麻疹、風疹、インフルエンザは、保育所に通い始めたら、出来るものから順に予防接種を受けておくことをおすすめします。感染症でない、一般安静室への入所が受け入れやすいからです。

ハグハグとたかはしクリニックのスタッフ一同、病児保育のお手伝いを通して働くおかあさまのお役に立てることを望んでいます。登録および入所の問い合わせはクリニック受付にお申し出下さい。ハグハグに関する詳しい説明はホームページでもご覧いただけます。 http://www.takahashi-ped.com
(たかはしクリニック 高橋 敏子)