第19号
2004年
10月
1F たかはしクリニック
078(882)6432
2F 大田整形外科クリニック
078(882)8822
3F みよし内科クリニック
078(882)1122
4F 波田眼科
078(882)6338
 発行 メディカルハット
 神戸市灘区岩屋北町5-1-31

             


  ひとくちに便秘と言ってもなかなか定義するのは難しいのです。というのも排便習慣には個人差が大きく、例えば「毎日出ないと気持ち悪い」人もいれば、「1週間に1度でも爽快!」という人もいるのです。結局のところ、数日以上排便がないもの、便が硬く小さなうさぎの糞状のものしかでないもの、排便後の爽快感がないもの、のうち腹部膨満感(ぼうまんかん)、腹痛などの腹部症状が伴うのが便秘と言えるでしょうか。
  便秘の原因もこれまた数え切れないくらいあるのですが(ホルモンの病気や、ストレス、腸自体の病気、薬の副作用などなど)、最も注意しないといけないのは急に起こった便秘です。こういったものの中には大腸がんなどの腸が狭窄(きょうさく)する病気が隠れていることがありますので、「たかが便秘」と考えずに診察を受けてください。
  また市販の下剤やセンナなどの漢方は基本的には腸を収縮させて排便を促すタイプのお薬で、時々飲む分にはいいのですが頻繁に服用すると習慣性ができてしまい、量を増やさないといけなくなってしまいます。習慣性の便秘になってしまう前に是非相談にいらしてください。

もちろん薬による治療だけではなく食生活や運動習慣が大切です。


 

 


  とびひは正式には伝染性膿痂疹(のうかしん)と言い、皮膚の細菌感染症です。今年は暑い日が長く続いたため、例年よりずっと多く発症しました。原因は皮膚に細菌、多くは黄色ブドウ球菌か溶血レンサ球菌が感染するためです。
  黄色ブドウ球菌のなかでMRSA(メトシリン耐性黄色ブドウ球菌)は従来のペニシリンでは効果なく、新生児や老人が感染すると、肺炎など起こして死亡するケースも出ています。都市部ではこの耐性菌が多くなっています。リンデロンVGやゲンタシンでは効果ありません。テラコートリル軟膏と経口抗生剤が効きます。黄色ブドウ球菌は毒素のため水疱をつくるのが特徴で、掻くことにより他の部位に急速に広がります。乾燥しても菌が残ることが多く、軽快後も2−3日は飲み薬、軟膏を続けてください。

  レンサ球菌による伝染性膿痂疹は、かさぶたと赤い発疹が全身に出現し、リンパ節が腫れ、のども赤くなります。腎炎を合併することもあります。ペニシリン薬が一番効きます。黄色ブドウ球菌の混合感染のことも多くありますので、治ったと思ってもしっかり治療してください。
  とびひと区別しなければならないのはカポジ水痘様発疹症、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、しょう紅熱(こうねつ)です。先日も他院でとびひなのにカポジ水痘様発疹症といわれた患者が来ました。カポジ水痘様発疹症は単純ヘルペスによるもので、熱の花が口唇から顔、胸、全身に拡大したものです。この場合は熱も出ますし、ヘルペスに対する治療が必要です。
  ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群は黄色ブドウ球菌に感染し、その毒素が血液から全身に広がってまるでやけどのように皮膚がずるむけにになる病気で、乳幼児に多く見られます。重症で入院点滴治療が必要です。しょう紅熱はレンサ球菌が全身感染したもので、高熱、発疹、扁桃腺炎、いちご舌が特徴です。以前は法定伝染病で心筋炎、腎炎をおこすなど、厄介な病気でしたが、治療の発達により、外来抗生剤治療で治ります。ただし、川崎病、ウィルス、リケッチア等による類似の発疹症もあり、注意が必要です。

(たかはしクリニック  高橋 利和)