第17号
2004年
4月26日
1F たかはしクリニック
078(882)6432
2F 大田整形外科クリニック
078(882)8822
3F みよし内科クリニック
078(882)1122
4F 波田眼科
078(882)6338
 発行 メディカルハット
 神戸市灘区岩屋北町5-1-31

             


 

  「ターナー女性」をご存知ですか。低身長で、成人しても女性らしい体つきになりにくい症候群のことです。1938年にアメリカのターナー医師が症例を報告して、この名がつきました。
  ターナー症候群の症状のひとつは無月経です。これまでは、女性なのに生理が発現しないことで、初めておかしいと気づき、産婦人科に受診し女性ホルモンの投与を受けました。もうひとつの特徴は背が低いことです。治療しないと、135cm程度しか身長が伸びません。ターナー女性の身長の問題はあまりかえりみられませんでしたが、思春期を過ぎて初めて気づいて病院に行っても、背は伸ばすことは難しいのです。
  ターナー症候群の原因は、性染色体の一部が構造異常または欠損し、身長と性の成熟に関する部分がないことがわかっています。1000人に1人程度いるとの報告がありますが、本当の頻度はよくわかっていません。私のクリニックでも考えられる頻度よりずっと少ない患者しか受診していません。症状があまり重症でないので気が付かれずに放置され、相談する医者もいないと考えられます。実際14年前、私が大学で診察していた頃は相談にこられても何もできず、産婦人科を紹介し女性ホルモン療法をするだけでした。しかし、今は違います。ターナー女性は早期発見して成長ホルモンを投与することで身長は150cmを越えることができます。女性ホルモンも決まったよい治療があります。治療が遅れて十分に成長ホルモン治療が行われないと、期待した背に達しません。

 

  最近、身長に関することで重要なことがわかりました。男でも女でも、最終に骨を成熟させ身長を止めるのは女性ホルモンであることです。興味深い例が2例報告されています。2例とも男性で、一人はアロマターゼという酵素がないため、もう一例は遺伝子の異常で女性ホルモンがありません。するとこの二人の男性は身長が伸び続け、2mを越えてもまだ止まりませんでした。この人たちに女性ホルモンを投与したところ身長の伸びは止まりました。男性でも女性ホルモンが重要な因子なのです。
  最近では、無理なダイエットによって無月経になる報告も増え、2種類の女性ホルモンを投与するカウフマン治療が知られるようになりました。ターナー女性もこの治療法によって、女性らしい体をつくり、骨を強くし、歳を取っても骨粗症にならずにすみます。また、カウフマン療法は子宮ガンなることを抑制し、ボケの防止にも効果あるといわれています。ただ、ターナー女性は他にいろいろな合併症状を伴うことも多く、治療には、信頼できる医師に見てもらうことが重要です。

(たかはしクリニック 高橋 利和)
 



  最近になって1位の座を癌(がん)に明け渡しましたが、それまでは日本人の死亡原因で一番多かったのは脳卒中でした。それでもやはり多い病気であることに違いはなく、また後遺症による麻痺や寝たきりなどで苦しむかたも多く、「なりたくない病気」の代表とも言えるでしょう。しかし一概に脳卒中といっても実はさまざまな病気の集まりなのです。

  脳の血管が高齢化や、先天性の血管の病気(脳動脈瘤など)で弱くなったところから破れてしまう病気です。血圧が高いと少しの血管の傷みからも出血しやすくなりますので血圧のコントロールがなにより重要になります。注意しないといけない症状としては頭痛があげられます。血圧が非常に高いことからくる、フラフラする感じや、首の後ろが張るような頭痛となります。また脳動脈瘤を持っておられるかたは、血圧が高くなくても頭痛を訴えることがあります。急に起こってきた強い頭痛には要注意です。



  動脈硬化が原因で血管が細く狭くなり、詰まってしまうために起こります。動脈硬化を起こしやすい生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病など)を患っていると確率が増えます。こういった生活習慣病を上手にコントロールすることが一番の予防となります。また前駆症状として、数分〜数時間だけ呂律(ろれつ)が回らない、手足が動きにくいなどの軽い麻痺症状が起こることがあります。

  心臓の中にできた小さな血液の固まりや、脳よりも手前の血管の壁が傷んではがれたりしていたものが、脳の血管で詰まってしまうことで起こります。巨人の長嶋茂雄さんを襲ったのは、このタイプの脳卒中です。長嶋さんの場合は心房細動という不整脈のせいで心臓の中に血栓(血液の固まり)ができてしまったと考えられました。

  いずれの原因であったとしても、予防として一番重要なことは、脳の血管(もちろん全身の血管も含めて)を大切にするために高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病を軽視しないことです。また、強い頭痛や軽い麻痺、心房細動などからくる動悸など、いつもと違う症状を自覚されたら、甘く考えずに一度は診察を受けてください。急性期(病気になってすぐ)に早期に十分に治療を受けないと命の危険にさらされることになりますし、大きな後遺症が残ることになりかねません。後遺症や予後はダメージを受ける脳の場所や大きさに大きく左右されますが、例え後遺症は残ってもリハビリで以前のように日常生活を送るまでに回復されるかたもたくさんいらっしゃいます。

(みよし内科クリニック  三好 彩)