第16号
2004年
2月6日
1F たかはしクリニック
078(882)6432
2F 大田整形外科クリニック
078(882)8822
3F みよし内科クリニック
078(882)1122
4F 波田眼科
078(882)6338
 発行 メディカルハット
 神戸市灘区岩屋北町5-1-31

             



  朝7時30分、ハグハグの電話が鳴った。出勤したての保育士が受話器を取る。
  「子供が水ぼうそうらしいのです。熱はありません。このまま、診察なしで預かってもらえませんか」
  Kちゃんのお母さんだ。リピーターのお子さんで様子がわかっている。院長先生のOKも出て初回時の診察なしで8時からお預かりすることになった。ハグハグの隔離室は1部屋。多分1週間は他の感染での入所希望者がいてもお断わりすることになるだろう。

昨年は491人が利用
  ハグハグは、看護師1名、保育士3名がシフトを組んで病後児保育を行っています。神戸市の委託を受けて昨年2月にスタートしてから1年が過ぎました。1年間の利用者は217人(延べ491人)でした。核家族、おばあちゃんがお孫さんの看病疲れをした時、お母さんが妊娠中などの家庭の病後のお子さんです。ハグハグはクリニックと隣接するマンションの一角にあり、入り口のドアには、ニモと同じお魚の人形を掛けています。室内は普通の家の雰囲気でお友達の家に遊びに来たような感じです。
  初めて利用する場合、診察を受けて入所が許可されると、利用登録票2枚、利用申請書1枚、与薬依頼票1枚の計4枚記入していただきます。利用登録票は母子手帳を見ないと書けない内容なので、利用が予想される方は、あらかじめ提出しておくことをお勧めします。一度登録すれば利用時は、利用申請書、与薬依頼票の2枚で良いのです。クリニック受付に書類1式置いていますのでお問い合わせください。

  N君、お咳がでて、熱が37度後半。午前中機嫌よく遊んで昼食も 全部食べる。お昼寝をして起きた。保育士が一緒に遊ぼうとするが機嫌が悪く泣いてばかり。抱いてみると体が熱い。熱を測ると39度。院長先生に連絡。
「保護者と連絡をとって座薬使用OKなら使ってください」
  医師が必要と思う薬でも保護者の方針とあわないのなら使わない。N君は座薬を使って、お母さんがお迎えに来られる頃には、熱も37度台に落ち着いた。
  ハグハグキッズの朝はあわただしく過ぎ去ります。保育所に行くのと違って、持ち物も異なります。お家で朝のお薬を飲む時間がないことがあります。こんな時、口頭で言っていただくか、利用申請書に書いていただけば、ハグハグでお薬を投与します。

投薬できることが、病児保育ならではの特徴と言えます。また子供の病状は日々刻々と変わるので、毎日午前中に医師の診察を済ませ、病気に対応しています。点滴、吸入、その他処置が必要な場合は、ハグハグの看護師や保育士が付き添いますので、ハグハグキッズがさびしい思いをすることはありません。何度か入所されるとスタッフとすっかり仲良しになってしまいます。
  お正月、ハグハグ宛に年賀状が届けられました。
  「昨年は色々と大変お世話になりました。ことしは元気で、と願いたいですが、多分、沢山お世話になると思います。よろしくお願いします」
  病児保育を通して働くお母さん方の手助けが出来るように、またハグハグキッズが,家庭的な雰囲気の中で心地よく療養できるように、スタッフ一同頑張ってゆきたいと思います。詳しい情報は「たかはしクリニックホームページ」 http://www.takahashi-ped.com もご覧いただけます。
   

(たかはしクリニック 高橋 敏子)
 

Q 新聞やテレビで時々、結核の集団感染のニュースを見ますが、結核はまだまだ身近な伝染病なんですか。
A 結核を一昔前の病気と思っているかたも多いと思いますが、実は現在でも日本で最も多い伝染病で、10万人あたり35人近くの人が患っています。何年か前にも神戸で結核の集団感染がありましたが、意外にも大阪府・兵庫県は日本でも結核の発生の多い地域なのです。

Q 結核はどのように伝染するのですか。
A 結核の中で一番多いのは肺結核です。患者さんの咳や痰に混ざって空気中に出た結核菌を、呼吸により吸入することで伝染します。結核菌自体は日光などに弱く、免疫力のしっかりした人は菌を吸入しても発症しないため、感染がそれほど爆発的に広がることはありません。ただ咳の激しい結核患者さんと一緒に生活する状況だとうつりやすくなります。また、免疫力が落ちているとき、例えば、お年寄りや乳幼児、糖尿病患者、抗がん剤やステロイド、免疫抑制剤を投与してるかた、透析、過労などの場合は、感染の危険が高くなります。

Q 咳や微熱が続くなど、風邪と似ていますね。
A そこが問題なんです。症状が風邪や気管支炎と非常によく似ているため、感染していても気づかず、放置しがちです。その結果、家族や同僚などにまたうつしてしまう、というように、被害〜加害の悪循環になってしまうからです。

Q 子供の頃にツベルクリン反応が陰性でBCG接種を受けていれば、大丈夫ではないんですか。
A 残念ながら違います。BCGは結核菌に軽く感染させて免疫をつくりますが、結核は一度感染したからといって終生免疫ができる病気ではありません。結核は初めて感染した時が最も症状が強く出て、予後も悪いのですが、子供の頃にBCGを接種しているかたが多いため、典型的な症状が出にくく、むしろ診断を難しくしている面もあるのです。咳・痰が2週間以上続く、微熱が続くといった症状があるときは念のため医療機関を受診しましょう。検査は簡単で、胸部レントゲン、痰の検査、血液検査、ツベルクリン反応検査などを行います。
     

(みよし内科クリニック  三好 彩)