第15号
2003年
11月25日
1F たかはしクリニック
078(882)6432
2F 大田整形外科クリニック
078(882)8822
3F みよし内科クリニック
078(882)1122
4F 波田眼科
078(882)6338
 発行 メディカルハット
 神戸市灘区岩屋北町5-1-31

             


Q 冬に向かって、終息したはずのSARS(重症急性呼吸器症候群)が再び流行するのではないか、心配する声があります。
A SARSはSARSコロナウイルスを病原体とする新しい感染症で、死亡率が極めて高いのに、治療法がまだ見つかっていないことから、世界的な問題になりました。これまでわかっているのは、患者の咳を浴びたり、痰や体液等に直接触れるなど、濃厚な接触をした場合に感染し、2〜7日、最大10日間程度の潜伏期間を経て発症します。症状は38度以上の熱と咳、息切れで、インフルエンザと極めて似ています。春先に香港、中国、台湾、カナダなどで大流行しましたが、患者の隔離が成功して、今年7月、WHOが終息宣言をしました。それが、再び取り上げられている理由のひとつは、SARSウイルスはまだどこかに潜伏しており、そろそろ発生するのではないかと疑われていること、二つ目にインフルエンザと区別ができないことで、ふたつが同時に流行すると大惨事になる可能性が大きいことです。

Q まず、インフルエンザに対する注意が必要ですね。
A その通りです。昨年から今年にかけて大流行したインフルエンザは香港A型(H3N2)でした。予防注射をするとほとんどが防げますので、SARSが流行しても区別できるようにと、予防注射が薦められているのです。

Q インフルエンザにはいろいろな型があると聞きますが、予防接種は有効なのですか。
A 少し専門的になりますが、インフルエンザワクチンについてお話します。今年のワクチンには有効成分としてA/ニューカレドニア/20/99(H1N1)株、A/パナマ/2007/99(H3N2)株、B/山東/7/97/株が含まれています。日本では4シーズン連続して香港A型(H3N2)が流行しており、これに効くパナマ株が昨年同様に選ばれました。H1N1は1999年から国内では流行はありません。インフルエンザAウイルスは毎年、豚のからだの中で突然変異を起こし新しいものが生じます。それで毎年予防注射が必要になります。B型についてはそう変異は起こっていませんが、国内外での流行を考え、ワクチンにB/山東株が選ばれました。

Q 副作用は心配ありませんか。
A 副作用はまれ(0.1%未満)に、ショック、けいれん、喘息発作、過敏症(全身症状として発熱、悪寒、倦怠感、嘔吐など)がみられます。妊婦または妊娠している可能性のある方は安全性が確立していないので原則不可です。

Q 予防接種はどの位の期間、有効なのですか。
A ワクチンの有効性は80%程度で3ヶ月間程度有効と報告されています。抗インフルエンザ薬が出現し、早期に投薬すると効果はあるというものの、SARSの流行が危惧されている時期ですので、やはりワクチン接種により予防するのがベストだと思います。また、冬は日常生活が忘年会等で乱れやすくなるので体調に気をつけなければなりません。うがい、マスクも必要です。インフルエンザは風邪ではなく脳症や肺炎でなくなることがある怖い病気ということを忘れないでください。

(たかはしクリニック  高橋 利和)


  開業して予想外に多かったのが、めまいを訴えられて来院されるかたです。ところが、ひとくちに「めまい」といっても、なかなか一筋縄にはいかない症状なのです。
  めまいを原因によって分けて考えると、1)内耳性のもの、2)中枢性(脳や神経の病気によるもの)、3)全身性のもの(その他の原因によるもの)の三つとなります。

  これは耳の奥の三半規管という平衡感覚をつかさどる器官の調子がなんらかの原因でおかしくなってしまう状態です。聴神経という耳の奥の神経の腫瘍が起こすこともありますし、前庭神経という神経の炎症が原因の場合もあります。案外多いのがメニエル病といわれる、三半規管の中のリンパ液の流れが悪くなって起こるめまいです。これは季節の変わり目やストレスが誘因になって起こるといわれていますが、はっきりとしたことはまだわかっていません。症状の特徴としては、急に「ぐるぐる回るような感じ」になります。横になっていても症状が楽にならず、吐き気を伴うこともあります。


  バランスをつかさどる脳や神経のどこか一カ所の問題が起こっただけでも出現します。具体的には小脳や脊髄の腫瘍・梗塞・出血・変性疾患などがあげられます。またその部位の脳血管の動脈硬化による狭窄(きょうさく)だけでも起こってしまうこともあり、脳梗塞の予兆としての注意が必要です。症状の特徴は、「まっすぐ歩けないような感じ」を訴える方が多くみられます。横になっているときは、それほどつらくないでしょう。

 全身性のめまいの原因は、貧血、脱水、低血圧、不整脈、低血糖など、数え切れないほどたくさんあります。また案外見落としがちですが、眼鏡が合っていないことや、肩こりなどの生活上の問題からくるものもあります。これらはひとつひとつ症状に特徴がありますが、とても紙面には書ききれません。
 こういった原因ごとに、めまいの治療法は変わってきてしまうのですが、何科に相談に行ったらいいかわからなくなる方もいらっしゃると思います。内耳性のものは耳鼻科に、中枢性のものは脳外科や神経内科に、全身性のものは内科に、ということになるのでしょうが、まずはかかりつけの先生や内科のクリニックで相談なさって、そこから必要に応じて専門の先生を紹介してもらうことをおすすめします。

(みよし内科クリニック  三好 彩)



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