第14号
2003年
9月10日
1F たかはしクリニック
078(882)6432
2F 大田整形外科クリニック
078(882)8822
3F みよし内科クリニック
078(882)1122
4F 波田眼科
078(882)6338
 発行 メディカルハット
 神戸市灘区岩屋北町5-1-31

             



  「ヘイ、ドン、リッスン」と言うのが耳に入ってきた。食事用のナイフを教授に向けて、その目は半分おふざけで、半分真剣に見える。日本語なら「おい、聞けよ、ドン」といった雰囲気である。
  ドナルド教授が、イギリスから単身でやってきていた医師とうちの先生のために、2人の同僚を招いて自宅の裏庭でバーベキューパーティーを開いた時のことだ。うちの大黒柱先生の仕事仲間と初めて会った奥さんは、半分しかわからない英語が飛び交う中、必死でわかったような顔をして、にこやかにやり過ごそうとしていたが、目の前の光景に、ごまかし笑いは消え、自然に、「ちょいと待ってください」と、その医師・ロイのナイフの手を両手で押し戻そうとしていた。その手を軽く払い、茶目っ気を増して彼の会話は続いた。
  忙しい毎日の中で、なかなか話せない仕事上の事、特に、聞こえてない医師たちの思いを、教授は信頼している部下から聞こうとしていた。他の人たちも普通に笑っている。うちの先生もビール片手に笑っている。教授は思いがけない事を聞き出したようで、「へぇ」と興味津々のようだった。
 

 

 

 

 

 

 

  Tボーンという部位の骨の周りが一番美味しい、と説明を受けて食べていた奥さんは、ただ一人、話の内容を知りたいわ、わからないわで、目は真剣である。思わず、「イツモ、コンナフウデスカ?」と教授に聞くと、「ニホンデハ、ナイカイ?」と楽しそうに答えが返ってきた。教授に対してナイフを突きつけるなどゲームでもしていない限りあるはずがない。強い信頼感とユーモアか、親しい部下、同僚とはこんな調子だという。同席のイギリス人先生も、教授が自宅に若手を招く事自体あまりないという。食べるよりおもしろいテーブル上の会話に、奥さん、口をあんぐり開けて参加していた。

  コーヒーを飲んでいた頃である。教授がズボンのベルトを持ち上げ、ゆっくりと立ち上がり、にやりとこちらを見た。ロイと連れ立って庭の奥へ、暗がりの中を歩いていく。「何?」とうちの先生と首をかしげながら姿を追うと、一番奥の辺りで止まった。あれまあ、暗闇に浮かぶ二人の医師は、背を向けて庭の隅で仲良く放尿をしていたのだ。二匹の犬も皆もそしらぬ顔で、驚かない。
  オーストラリアでは、医師はいわゆる開業医であるホームドクターと、専門医に分かれていて、大学卒業後2年間の修行の後に選択する。専門医になるには厳しい研修がさらに6年続き、最後に解剖から臨床まで5日間にもわたる試験に合格しなければならないという、日本より厳しい基準があった。うちの先生は、日本では専門医であるが、オーストラリアでは修行中の医局員として仕事をしていた。オーストラリアで専門医になるためには同様の修行と試験が必要だ。
  病院での忙しさと緊張をほぐすように、異国の者たちも自然に受け入れてパーティーは終わった.お皿を片付けながら、それにしても鮮烈なるカルチャーショックを受けて、うちの先生も奥さんも、もう何がおきても驚かなくなったのである。
=写真はロイヤル・アデレード病院のエントランス
     (大田整形外科クリニック  by 高江)

 


  なにを隠そう、私も頑固な頭痛持ちなのですが、頭が痛いと、なんにもやる気が起こらなくて困りますよね。テレビなどで、頭痛薬のコマーシャルなどをよく見ますが、一言に頭痛といっても実はいろんな原因があるのです。

 片 頭 痛
よく患者さんから「いつも頭の片側が痛くなる、片頭痛もちなんです」と申告されることがありますが、左右どちらかが痛くなるのが片頭痛というわけではありません。症状が起こるしくみとしては、脳に栄養を届ける血管がなんらかの原因で拡張しすぎるための痛み、と考えられています。ズキズキと脈打つように痛くなり、歩いたり、身体を動かしたりするのもつらく寝込んでしまうくらいの強い痛みとなります。また、血管が広がるような状態(入浴や、生理の前後、飲酒、仕事が終わってほっとしてくつろいでいる時など)に痛くなることが多い傾向にあります。また頭痛以外の症状として、吐き気をともなったり、光や音に敏感になる、目の前がちらちらする、といった症状がみられることがあります。軽い片頭痛でしたら市販の薬でも効果はあります。しかし、痛みがひどい場合には、広がりすぎた血管を元に戻すタイプの特効薬があり、これには医師の処方箋が必要ですので受診していただく必要があります。

筋緊張型頭痛
実は頭痛で最も多いのがこのタイプで、頭を支える筋肉の疲労によって起こるものです。肩こりをともなうことが多く、首筋やこめかみが頭に輪っかをはめられたように、ギューっと痛くなります。ただ、仕事や家事などはなんとかできるくらいの我慢できる痛みであることが多く、同じ姿勢で作業を継続して、疲れるころに起こる傾向があります。このタイプの頭痛でしたら、市販の薬でかなり症状はとれると思いますが、予防的に肩こりが起きないような生活を心がけることが大切になってきます。


症候性頭痛
他の病気に付随して起こる頭痛の総称ですが、三叉(さんさ)神経痛や後頭部神経痛などの頭に近いところの神経痛をはじめとして、頚椎症や顎(あご)関節症など首や顎の骨、関節の痛みからくるもの▽中耳炎や副鼻腔炎、風邪などの感染によるもの▽緑内障などの目の病気からくるもの▽脳出血、脳腫瘍などの脳内病変によるもの▽高血圧によるもの・・・などなど、実にたくさんあります。

 いずれにせよ、初めて頭痛を経験された方や、これまでの頭痛と痛みの性質が変わってきたと思われる方、そして長い間頭痛に悩みながら病院には行ったことがないという方も、なにか他の病気が隠れていることがありますし、その病態によって治療法が異なってきますので、医療機関への受診をおすすめします。
      (みよし内科クリニック  三好 彩)