第14号
2003年
9 月10日
1F たかはしクリニック
078(882)6432
2F 大田整形外科クリニック
078(882)8822
3F みよし内科クリニック
078(882)1122
4F 波田眼科
078(882)6338
 発行 メディカルハット
 神戸市灘区岩屋北町5-1-31

             


  今年も兵庫県小児糖尿病サマーキャンプが8月8日から12日まで、南但馬自然学校で開催されました。このキャンプは兵庫県在住の1型糖尿病の子どもたち(小中学生)を集めて糖尿病をいかに克服し、また一緒に生きていくかを学習する療養キャンプです。神戸大学小児科勤務中の私と森下順彦先生(現 森下小児科)が21年前に兵庫県立のじぎく療育園で始めました。1型糖尿病の子どもたちは、インスリン注射を毎食前に行い、血糖を測定して食事量と質を考えなくてはいけませんし、運動も大切です。こうした生活管理ができて、初めて普通の日常生活が送ることができる病気です。少しでも怠ると、夜尿、多飲、多尿、昏睡まで引き起こし、死にもつながります。また、長年管理が悪いと、目が見えなくなったり(糖尿病網膜症)、腎臓の機能が悪くなって透析(糖尿病性腎症)をせねばならなくなったり、歩けなく(糖尿病性神経症)なります。そうならないために、キャンプでは大切な生活管理を学ぶのです。

  さて、今年は7月27日(日)にプレキャンプとして子供の団結式、講演会、親の会を行い、本キャンプは8月8日(金)から12日(火)までの4泊5日でした。キャンパーは31名、OB、OG、プログラムのボランティア、医療スタッフを入れると110人の参加となりました。
第1日目は午後4時ころ到着。夜は天体観測を予定していましたが、台風の影響で曇り空。星は見えず、残念でした。2日目は朝6時半に起床、体操のあと、血糖測定とインスリン注射。午前中は恒例の武庫川女子大のコンピューター紙芝居で、糖尿病食事交換表の勉強をしました。午後からはオリエンテーリング。スーパーボールすくいや、ゲーム、問題解きをして各宿舎をまわります。が、なかなか先へ進めませんでした。この夜も曇りで天体観測はスライドを使った星座の講義に変更。医学部の学生はしっかり予習ができていて、いろいろな星雲、銀河を知ることができました。その後、犯人はだれかを推理するミステリーツアーの「序章」もありました。
  3日目の日曜日の楽しみは飯盒炊爨(はんごうすいさん)。ハヤシライスとサラダに挑戦しました。みんな、ご飯もルーもおいしくできました。午後は竹細工の工作です。竹とんぼ、竹の箸、花瓶、ペンダントなど、竹でいろいろできるものですね。夜は昨夜のミステリーツアーの完結編です。医学部の宮・名探偵がナゾを解き明かし、意外な真犯人にたどりつきます。なかなか練り上げたストーリーで、あっという間に夜もふけました。
  4日目にやっと晴れ。午前中の運動会は各グループ対抗です。昼からは写生大会、夜はキャンプファイア。もう最後の夜です。ろうそくの階段から入場し、キャンプファイアが消えるまでの3時間、盛り上がりました。終わっても興奮した子どもたちやボランティアもなかなか寝ません。最終日の午前は感想文と各班のお別れかくし芸です。午後1時に閉会式、バスに乗ってJR灘駅で解散しました。
  キャンプ中、子どもたちは毎日、食事前と寝る前に血糖測定とインスリン注射を行い、期待通り成果が上がりました。頻繁に低血糖状態も経験し、その対策を覚えたと思います。また高血糖の人はインスリン増量、運動療法を体験しました。短いキャンプでしたが、糖尿病の管理を自分で行い、また他の糖尿病の子と接触し、友達をつくることができました。毎年参加しても、新しいことを覚えます。病気でない人は病気の子を思いやり、病気を持っている子はたくましくなってください。

(たかはしクリニック  高橋 利和)


Q 高齢になると恐い目の病気に網膜剥離があるといいますが。
A 網膜剥離という病気は、放置すると失明する危険のある恐い病気です。網膜剥離は高齢者にだけ多いということはなく、その発症は若年者に見られる場合と高齢者に見られる場合の2つのピークがあります。網膜というのはカメラにたとえるとフィルムにあたる部分で、この網膜の神経で光を感じています。この神経の膜がその下にある色素の膜からはがれると正常な機能を保てなくなり、ものがはっきりと見えなくなってしまいます。フィルムに傷があるときれいな写真が出来上がらないのと同じです。

Q どうして網膜が剥離するのですか。
A 眼球の中身は、単に水が詰まっているだけではなく、硝子体という卵の白身のようなプヨプヨとしたものが詰まっています。この硝子体は年齢とともにだんだんと縮んで小さくなります。そのような変化の中で、目を動かす時に網膜に力が加わって裂け目(裂孔)ができてしまうことがあります。できた裂け目に力がかかり続けると、だんだん網膜がその下の色素の膜からはがれてきて下に水がたまります。これを裂孔原性網膜剥離といいます。

Q どんな症状がありますか。
A 網膜裂孔ができる時に、光視症といって光が走るのが見えたり、目の前に虫が飛ぶように見える飛蚊症といわれる症状が見られます。網膜が裂ける時に網膜の血管が切れた場合には、眼の中に出血が起こり視力が急激に落ちることもあります。網膜剥離が進行すると、たとえば上半分が見えないなど視野異常や明らかな視力低下を自覚することもあります。

Q 治療法は手術しかないのですか。
A 自然治癒ということはほとんど期待できず、剥離を放置するとだんだん神経が弱って回復しにくくなってしまうので、基本的に手術を行って治療します。裂孔ができただけの段階や狭い範囲の網膜剥離の場合は、レーザー治療(網膜光凝固術)を行います。レーザー治療は外来で施行できるもので、熱の力を使って裂孔の周囲を糊付けし、網膜がはがれないようにするものです。レーザー治療で剥離が抑えきれない場合や広範囲に網膜剥離が広がっている場合には、眼球の周りからベルトで締め付けるような形で裂孔をふさぐ手術などを入院で行います。

Q 予防法はあるのですか。
A 特別な予防法はありません。飛蚊症や光視症を自覚したときは、ほっておかずに眼科的な検査を受けて異常がないかを調べること、異常が見つかれば早期に治療することが視力を守る上で大切となります。
    (波田眼科   波田 順次)


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