|

Q 高齢になると恐い目の病気に網膜剥離があるといいますが。
A 網膜剥離という病気は、放置すると失明する危険のある恐い病気です。網膜剥離は高齢者にだけ多いということはなく、その発症は若年者に見られる場合と高齢者に見られる場合の2つのピークがあります。網膜というのはカメラにたとえるとフィルムにあたる部分で、この網膜の神経で光を感じています。この神経の膜がその下にある色素の膜からはがれると正常な機能を保てなくなり、ものがはっきりと見えなくなってしまいます。フィルムに傷があるときれいな写真が出来上がらないのと同じです。
Q どうして網膜が剥離するのですか。
A 眼球の中身は、単に水が詰まっているだけではなく、硝子体という卵の白身のようなプヨプヨとしたものが詰まっています。この硝子体は年齢とともにだんだんと縮んで小さくなります。そのような変化の中で、目を動かす時に網膜に力が加わって裂け目(裂孔)ができてしまうことがあります。できた裂け目に力がかかり続けると、だんだん網膜がその下の色素の膜からはがれてきて下に水がたまります。これを裂孔原性網膜剥離といいます。

Q どんな症状がありますか。
A 網膜裂孔ができる時に、光視症といって光が走るのが見えたり、目の前に虫が飛ぶように見える飛蚊症といわれる症状が見られます。網膜が裂ける時に網膜の血管が切れた場合には、眼の中に出血が起こり視力が急激に落ちることもあります。網膜剥離が進行すると、たとえば上半分が見えないなど視野異常や明らかな視力低下を自覚することもあります。
Q 治療法は手術しかないのですか。
A 自然治癒ということはほとんど期待できず、剥離を放置するとだんだん神経が弱って回復しにくくなってしまうので、基本的に手術を行って治療します。裂孔ができただけの段階や狭い範囲の網膜剥離の場合は、レーザー治療(網膜光凝固術)を行います。レーザー治療は外来で施行できるもので、熱の力を使って裂孔の周囲を糊付けし、網膜がはがれないようにするものです。レーザー治療で剥離が抑えきれない場合や広範囲に網膜剥離が広がっている場合には、眼球の周りからベルトで締め付けるような形で裂孔をふさぐ手術などを入院で行います。
Q 予防法はあるのですか。
A 特別な予防法はありません。飛蚊症や光視症を自覚したときは、ほっておかずに眼科的な検査を受けて異常がないかを調べること、異常が見つかれば早期に治療することが視力を守る上で大切となります。
(波田眼科 波田 順次)
|