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Q 「寝る前に目薬をささないほうがよい」と聞いたことがありますが、本当ですか。
A 以前、寝る前に点眼すると副作用が出やすい薬が使用されていたことから、どのような点眼薬でも寝る前にささないほうがいい、と誤解しておられる患者さんが少なくないように思います。目への刺激性や薬に含まれる重金属の問題などから寝る前の使用が制限されている薬はありますが、最近使用されるほとんどの点眼薬は寝る前に使用しても問題はありません。寝る前に点眼するかどうかに限らず、点眼方法を間違うと効果が不十分だったり、アレルギーなどの副作用が出る場合がありますから、目薬の効果を十分に得て副作用を生じないようにするためには点眼薬の使用法を理解し医師の指示を守ることが大切です。
Q 目薬にはどんな種類や効果があるのですか。
A 結膜炎・白内障・緑内障など、目のほとんどの病気に対して、抗菌剤・消炎剤・白内障予防薬・眼圧降下剤などいろいろな目薬が使われています。目の表面に点眼された薬は、涙と混じりあって少しずつ目の中やまぶたに吸収され薬の効果が出ます。
Q 涙と一緒に流れ出てしまう心配はないんですか。
A 目の表面は涙で潤いを保っており、この涙は約8μl(マイクロリットル)という非常に少ない量です。1cc(1cmのサイコロ大の量)の100分の1程度の量になります。点眼の1滴はどの位の量かというと、40〜50μlで1ccの約20分の1です。まぶたの隙間にたまる量は多くて30μlほどですから、1滴点眼すると半分ぐらいはどうしても流れてしまいます。涙と混ざった後の薬の濃度を考えると1回1〜2滴が適切な量で、3滴も4滴も点眼する必要はありません。
Q 目薬をさしたあと、のどが苦く感じることがありますが?
A 点眼後、まばたきをするたびに薬は少しずつ涙と一緒に鼻の奥からのどへ流れて行くからです。このため、目に十分に薬がしみていくには点眼後しばらくの間、目を閉じてまばたきをしないことが効果的です。
Q 何種類も同時にさしてよいのですか。
A 点眼はいつも1種類だけということはなく、1度に3種類ほど点眼することも少なくないと思います。このような場合、続けて点眼すると薬が次々あふれて濃度が薄くなってしまいます。ですから、薬が目の中に十分吸収されるためには、それぞれの点眼間隔を5分以上あける必要があります。また、点眼後に目頭の下の部分を約3分間押さえると鼻やのどからの薬の吸収を防いで全身への薬の影響を少なくし、薬が目やまぶたへ吸収される量を増加させることができます。
Q 目薬について何のために使用するのか、自分自身が理解することが大切なんですね。
A その通りです。効果や使用法について、もし疑問に思うことがあれば遠慮せずに何でも医師にたずねて下さい。
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新型肺炎SARS(重症急性呼吸器症候群)が香港から発生し、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、東南アジアなど世界中に広がっています。すでに3500人以上が肺炎になり、200人を超す死者がでて、 なお広がる傾向も見せています。原因はやっとコロナウイルスの変異株で、従来なら風邪症状で終わるものが、非常に毒性が強く、死亡率も高いことが分かってきました。日本人の発病者はまだいないようですが、小学校で香港からの帰国者の受け入れに問題が生じたところもあるようです。
さて、このように感染症は国内にとどまらず、瞬時に世界中に広がる危険性をはらんでいます。全世界の総人口は1999 年の報告では
59 億6162万7731人です。1年間の死亡者数は 5596万4620人で、このうち感染症で亡くなった人が1738万8000人。実に31.1%を占めます。心血管系の病気が1697万人(30.3%)▽悪性腫瘍(癌)は12.6%
の706 万人▽糖尿病で77万6000人(1.4%) ですから、感染症の恐ろしさがわかると思います。
感染症の中では肺炎を含めた気管支炎等で3963279人(29%)が亡くなり、エイズ(AID)は267万3000人で19%を占めています。以下は右表の通りで、まだまだ世界は感染症を克服したとはとても言えない現状です。
感染症は恐い順に1〜4類に分類されていますが、1 類にはエボラ出血熱やペストなど、診たこともない感染症が並んでいます。2類はポリオ、コレラ、腸チフス、赤痢などです。ポリオは50年前は日本でもまれにみられましたが、現在は乳児への生ワクチン投与でほぼ撲滅できました。 コレラ、腸チフスは東南アジアに行ってちょくちょくうつされて帰国する人がいます。赤痢も15
年ぐらい前は結構ありましたが、最近は私自身、診ていません。3類は毎年夏頃にでてくる腸管出血性大腸菌感染症です。病原大腸菌O157
が原因の下痢症で、脳症、腎不全を起こして死者が出た事件は記憶に新しいと思います。4 類はインフルエンザ、狂犬病、 AIDS 、梅毒、マラリア、麻疹等が入ります。狂犬病以外は日本でも診る事は多く、昨年、麻疹で200人、インフルエンザ脳症でも約200人が亡くなっています。
海外に出る事が多くなったいま、日本にない病気だから安心、とは限りません。世界ではまだまだ多くの人が感染症で亡くなっている事を理解してください。こんな話があります。梅毒は昔は中南米の風土病でしたが、コロンブスがアメリカに到達し、ポルトガルに持って帰り、日本には長崎から入り、江戸まで広がりました。そのスピードは飛脚よりも早かったといわれています。また、成人T細胞白血病を起こすウイルスは
、戦国時代に日本を訪れたポルトガル人一行が、途中に東アフリカに寄って持ち込んだサルが宿主となり、広がったのではないか、という説も聞いたことがあります。
抗生物質やワクチン開発、衛生環境の向上、栄養状態の改善から、感染症は次第に克服されつつありますが、AIDSや今回のSARSのような新興感染症は、まだまだ謎も多く、予防や治療法の開発が急務となっています。一方で、結核のような古くからある伝染病の発生も増加に転じたと報告されています。日ごろからの健康・衛生管理をしっかりし、感染症に備えることが大切です。
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